基本情報・製品の特徴
イズカーゴ®点滴静注用10mg 製品情報のページです。
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製品の特徴
- イズカーゴ®点滴静注用10mgは、自社開発したJ-Brain Cargo®技術を適用して、ヒト化抗hTfR抗体とhIDSを融合させることにより酵素にBBB通過能を付与して創製した新規のBBB通過型酵素製剤で、ムコ多糖症Ⅱ型の中枢神経系症状及び全身症状に対する治療薬です。
- イズカーゴ®の薬力学的作用は、ムコ多糖症Ⅱ型の薬効バイオマーカーである脳脊髄液中のHS濃度、並びに血清及び尿中のHS、DS濃度の減少作用として確認されました(マウス)1)
- 国内第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験において、ムコ多糖症Ⅱ型患者の中枢神経系症状を反映するバイオマーカーである脳脊髄液中HS濃度[主要評価項目]は、52週後において初回投与時と比較して有意に減少しました(p<0.001、対応のあるt検定)2, 3)。
- 国内第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験において、ムコ多糖症Ⅱ型患者の発達評価[副次評価項目]である新版K式発達検査2001を用いた52週後の評価では、25例中3例が「改善」、18例が「維持」、4例が「悪化」でした2, 3)。
- 重大な副作用として、重度のinfusion reactionがあらわれることがあります。主な副作用(5%以上に発現)は、発熱、蕁麻疹、悪寒です。
添付文書の副作用及び臨床成績の安全性の結果を参照してください。
hTfR:ヒトトランスフェリン受容体1
hIDS:ヒトイズロン酸-2-スルファターゼ
BBB:血液脳関門
HS:ヘパラン硫酸
DS:デルマタン硫酸
文献
- JCRファーマ株式会社社内資料:hTfR KI/Ids KOマウスにおけるJR-141の12週間反復静脈内投与によるGAG減少効果(2021年3月23日承認、CTD 2.6.2.2.4)
- JCRファーマ株式会社社内資料:JR-141のムコ多糖症Ⅱ型患者を対象とした第Ⅱ/Ⅲ相試験(JR-141-301試験):CTD 2.7.6.3(承認時評価資料)
- JCRファーマ株式会社社内資料:JR-141の臨床に関する概括評価:有効性の結果:CTD 2.5.4.3(承認時評価資料)
一部のライソゾーム病にみられる精神発達遅滞や神経学的退行といった中枢神経症状の改善には、医薬品の有効成分を中枢神経に届ける高度な技術開発が求められます。
JCRファーマ株式会社が独自に開発した血液脳関門通過技術であるJ-Brain Cargo®は、脳毛細血管の内皮細胞表面に発現しているトランスフェリン受容体を介して、目的とする物質の血液脳関門の通過を実現する技術です。
イズカーゴ®点滴静注用10mgは、日本発・世界初の技術であるJ-Brain Cargo®を適用して創製された、ムコ多糖症Ⅱ型治療薬です。
JCRファーマ株式会社は現在、J-Brain Cargo®を適用したその他のライソゾーム病治療薬の開発を進めています。